商談、商談とは!

商談は多ければ多いほどよい!

手持ち商談は多ければ多いほど有利です。それは単なる確率論だけの話ではなく、営業マンの精神衛生上の面からも言える話です。
たとえば、商談がひとつしかないと、その商談にしつこく執着してお客を追い回すことになります。これは、最も嫌われ迷惑がられる最悪の営業パターンです。あるいはお客から足元を見られ、必要以上の値引き要求を受けることにもつながります。
さらに、次の商談の種まきにまで気持ちの余裕がまわらなくなり、そうなると数字も上がらず、先の展望が開けないという悪循環のサイクルが生まれます。逆に売れている営業マンは、手持ち商談を多く持っているのが一般的な姿です。手持ち商談が多いからひとつの商談に執着することなく、冷静に余裕を持ってクロージングをかけることができます。また、空いた時間を活用して次の商談づくりに取り組むことができます。
そうすると、次から次へと受注が決まる好循環のサイクルが生まれてくるのです。
ビジネスは何でもそうですが、気持ちに余裕が持てないとなかなか成果は上がりません。営業の場合は、とくにそれが当てはまります。だからこそ、普段からの商談づくりが大切なのです。
私の経験からお話しします。例えでお話すると、私は商社で工作機械の営業をしていました。工作機械は平均単価が1450万円と、トラックで運べる商品の中では最も高単価であり、受注するためにはそれなりの経験やスキルが求められます。営業に出てまもなく、その当時の上司から「商談は果物と同じや、触れば触るほど痛むのや」と言われました。その上司は、私がいた支社の中でも有数のトップセールスマンでしたが、その上司の言葉は今でも私の脳裏に残っています。確かにその上司が言う通りで、それは今の仕事での受注をとる際にも、まったく同じことが言えます。
商談をつくり、クロージングのためにやることだけをやったら、後は注文が転がり込んでくるのを待つのが営業のセオリーなのです。

御用聞き-価格競争ではダメな時代が来た

また、自ら商談をつくろうとすると「御用聞き営業」ではだめで、「提案営業」によってこちらから仕掛けていく必要があります。とくに法人営業のルートセールスの場合、えてして営業マンが御用聞きになりがちです。
法人営業の場合は継続的取引が前提となるため、顔を出すだけで何らかの形で引合いをとることができるからです。こうした「御用聞き営業」を続けていると、自然と「価格競争」スタイルの営業マンとなってしまいます。
なぜなら、お客の側から見て、言われたことしかできない営業マンには魅力が感じられず、その結果、人間関係も構築されにくいからです。お客との人間関係ができない結果、商品の価格だけで判断されてしまうことになるのです。それでは営業マンの意味がありません。
こうした話をすると「ウチの商品は差別化できないから価格競争しか無理だ」 と言われる方がいます。
私は メーカー、あるいは商社など、で営業研修を手がけてきましたが、その経験から言っても世の中に差別化できない商品などありません。どの企業にせよ、その会社の中で“トップセールス。と言われている人にヒアリングすると、何らかの形で差別化を図り価格競争を回避していることがわかります。彼らに共通して言えることは、何らかの形で情報発信を重ね、自らの手で商談をつくっているのです。なかには、生まれつき対人コミュニケーションのセンスがあり、とくに努力をしなくても数字がつくれる人がいるかもしれません。
しかし、自分の成功要因を人に説明できないようなやり方では、歳を重ねて部下を持つ立場になったとき、具体的に指導を行なうことができません。自分の成功要因を見つめ直す意味でも、商談のつくり方、すすめ方については体系的に押さえておく必要があります。
いずれにしても、今は日本経済全体が成熟期を迎えています。かつての成長期とは異なり、営業マン自身にも差別化要素が求められることを頭に入れておかなければなりません。