話、聞き方、話、聞くコツ!

「なるほど」この一言が持つ。意外な効果

マーケティングの仕事に携わっていた友人に、年配の大物には常にかわいがられているのがいた。新しい企画を立てては売り込むのだが、まったく新しいものだけに最終的には企業のトップの人にも会う機会がある。そのときは大体は末席あたりにいるのだが、必ず目をかけられるようになる。彼は人が何かいったときに、よく耳を傾けたうえで、「なるほど」と声に出して大きくうなずくのである。
「なるほど」という言葉は、相手のいうことが正しいことを認め、それに賛同の意を表すものである。それに、話している相手の正しい知識や優れた見識に対して、感心するという風情も表現する。ほかの人は、偉い人のいうことであるから、いずれにしても拝聴し、そのとおりにしなくてはならない、と初めから考えている。ところが、彼の場合は、一人の人間がいうこととして、先入観を持たないで聞き、十分に納得した姿勢を示している。感心したという心情を込めて「なるほど」というのだ。さらに歓談の機会でもあれば、「さすが」といって、相手には期待したとおりの見識があるので、改めて感心したという気持ちを表明する。大物にとっては、「かわいげ」のある「愛い奴」ということになる。もちろん、自分がそう思わなかったり、あまり感心もしなかったりしたときに「なるほど」といったのでは、単なるご機嫌とりに終わってしまう。いつも「なるほど」とか「さすが」とかいっていたのでは、そういう口癖の人であるという悪評が立ってしまうだけだ。へつらいの気持ちがあってはならない。また目下の人たちに対しても、正しいことをいっていると思ったときは、はっきりと言葉に出して「なるほど」という。感心された人はそういってくれた人に対して、自分を率直に正しく評価してくれる人であるという印象を抱き、信頼を寄せる。自信もつくので、さらに前向きに考える姿勢になる。どんな人でも、いつかは何か正しいことを必ずいう。そのときに、率直に「なるほど」といえるかどうかは、いつも広く平らな心で人に対しているかどうかで決まる。人の話を聞くときは、身分や肩書きという鎧をまとった「人」を聞くのではなく、人間の「話」を聞くという姿勢が肝要だ!


人の話を聞くのが上手な人


何か新しい情報を入手したとき、人に伝えればありがたがるか面白がるかすると思って、ちょっと得意ぎみに話す。そんなときに、相手が平然として、「ああ、そうだよ」といった反応を示すとがっかりする。と同時に、ちょっとむっとした気持ちが頭をもたげてくる。不愉快になる。相手の反応の中に、「私はすでに知っていたが、君は今まで知らなかったのか」というニュアンスを感じるからである。相手がすでに知っていたのは事実であって、相手は少しも悪くないのであるが、自分の好意が無視されたと感じる。自分の行為が「空振り」に終わったことに対して、ちょっとした自己嫌悪に陥っているのである。そのような複雑な感情がエスカレートしていけば、「二度と情報の提供をしてやるものか」といった、捨て鉢に近い気持ちになる場合もある。したがって、情報を提供される側としては、たとえ自分が知っている情報であっても、ただ「すでに知っている」という反応を示してはいけない。もっと慎重に対処する必要がある。すなわち、まず情報提供に対して、感謝の意を表明しなくてはいけない。そのうえで、たとえ自分がすでに知っていることであっても、まず相手のいうことに対して虚心坦懐に耳を傾ける。もしかすると、自分の持っている情報と微妙に違っている場合もある。さらに詳細にわたる情報が提供されるかもしれない。一般的に、話の内容を聞かないでいて、それについて知っているというのは、正確を期する観点からすれば、すべて間違いであるといわざるをえない。知っていたかどうかは、全部聞いた後からでないといえないはずだ。ましてや、ちょっと聞きかじった程度で自分が知っている話題の場合に知ったふりをしたのでは、せっかくの正確な情報を入手する機会をみすみす失ってしまう。そんなときは、「ちょっと話を聞いたが」といって、さらに詳しく内容について質問したり、なぜなのかなどと理由も聞いてみる。そのようにすれば、人の話を聞くのが上手な人との評価が定着し、人にも好かれる。また、人が競って情報を持ち込んでくれるようにもなる。最初のちょっとした言葉の違いで、結果が大いに違ってくるのだ。

人との話し方、聞き方、返答の仕方で印象や対応がかわります。考えて行動しましょう。