マスクの効果と正しい使用方法

風邪やインフルエンザなど冬季に多い感染症が流行する季節における、マスクの効果と正しい使用方法についてご説明します。

マスクの効果

マスクが最も効果を発揮するのは咳やくしゃみのある人がマスクをつけた場合です。風邪やインフルエンザ患者は1回の咳で約10万個、1回のくしゃみで約200万個のウイルスを放出すると言われています。そこで、患者がマスクをつけることでこれらを含んだしぶきによる周囲の汚染を減少させることができるのです。
風邪やインフルエンザに罹らないためにマスクをつけても、その効果は限定的とされています。なぜなら、顔とマスクとの間に隙間があり、ウイルスを含んだ飛沫の吸入を100%防ぐことはできません。また、ウイルス自体の粒子径は0.1~0.2μmですが、咳やくしゃみではウイルスに水分やほこりが付着し、粒子径は5μm以上とやや大きくなるため、すぐに短い距離に落下し、空間をただようことはないからです。さらに、環境や衣類に付着したウイルスが手によって呼吸器に運ばれ感染する場合もあり、マスクだけで風邪やインフルエンザのウイルスを確実に遮断することはできません。ただし、風邪やインフルエンザ患者の近くで看病するなど咳やくしゃみのしぶきを直接浴びる可能性がある場合には予防効果があると考えられます。

マスクの正しい使用方法

マスクの効果を得るためには正しくつける必要があります。また、顔との隙間がないように顔にフィットするサイズ・形のマスクを選択し、必要に応じてゴムを結ぶなど顔にフィットさせる工夫をします。

【正しいマスクの装着方法】

  • 鼻と口の両方を確実に覆います。
  • ゴムひもを耳にかけます。
  • フィットするように調節します。

【効果のないマスク装着の例】

・鼻がでている、鼻の部分に隙間がある ・あごがでている

【しぶきをあびた時の安全なマスクの外し方】

マスクの表面には、風邪やインフルエンザなどのウイルスがついている可能性があります。そこで、マスクの表面には触らず、耳の付近のゴムをつかみ外しましょう。外したら直ちにゴミ箱に捨て、手を洗います。

マスクの予防効果(コロナ、インフルエンザ)について

マスクの予防効果(コロナ、インフルエンザ)について

コロナウイルス関連でマスクが売り切れたりと注目されています。

元々、インフルエンザの流行の時期や花粉対策でマスクをしている方も多いようです。

マスクの感染予防効果についてまとめたコラムです。


  1. マスク予防効果の理論
  2. マスクの実証試験
  3. 有効な(と期待出来る)マスクの使い方
  4. 職場での感染予防としてのマスクについて

の順に記載します。

1.マスク予防効果の理論

風邪予防にマスクといった風潮があります。

病院のスタッフもよくしていますし、なんだか悪い物が鼻や口から入ってくるのを防いでくれそうな雰囲気です。

マスクの通気性(網目の大きさ)と防ぎたい物質の大きさをみてみましょう。マスクの網目の大きさ10~100μmスギ花粉20μmウイルス(インフルエンザ、コロナ)0.1μm

この大きさの比較からマスクが全くの無効と書いているのを見かけますが、それは誤りです。

空気感染(飛沫核感染)するウイルスならその論理で良いのですが

インフルエンザやコロナの飛沫感染はウイルスに水分や埃が付着して飛んでいます。

飛沫とは5μm以上の大きさのことを言います。

(それ未満を飛沫核と呼びます)

マスクの網目の大きさより飛沫も小さいのですが、飛沫感染に関してもマスクで(全ては無理ですが)少しトラップ出来そうです。

理論的にはある程度は飛沫感染(エアロゾル)や接触感染を減らせそうです。

とはいえマスクを通さず鼻の横などの隙間からの流入には無防備です。

こういった背景があってマスクが予防に有効か無効か、理論だけでは断定できないために実証試験が行われています。

結論だけ書きますと、所謂マスク(サージカルマスク)に感染予防効果はありませんでした。

なんと、感染者自身がマスクしても同居の家族の感染率は変わらないという研究も出ています。

大事なのは手洗いです。

ちなみに結核のときに使われるN95マスクもインフルエンザへの予防効果がサージカルマスクと差がないことも検証されています。

実証試験では効果のなかったマスクですが、マスクは無駄!無意味!ではがっかりしてしまうと思いますので少しお話します。

3.有効な(と期待出来る)マスクの使い方

じゃあなんで医療現場でマスクしているの?ということも少し説明します。

普通の白衣でマスクしているのは(感染予防としては)意味ありません。

正しい状況で正しく使用する必要があります。

・ゴーグル、ガウン、グローブとセットで着用すること

・汚染(不潔)エリアで防護して、出る時に正しい手順でそれらを外して廃棄すること

に意味があります。

上のマスクが無効という研究も、日常場面でのマスクの着用を調べています。

不潔エリアで普通の格好でマスクだけして、気分で外して飲食したり目をこすったり鼻をかんでいては何の意味もありません。

ですので患者さん以外では、隔離された感染病棟(病室)をもつ医療機関に務めるスタッフのみがコロナ関連でマスクが必要です。

それでも一般の方が少しでも効果を期待してマスクを使うとしたら、

  • 隙間がないよう正しい手順でマスクを付ける
  • マスクや周囲を触らない
  • マスクをずらさない、ずらして飲食しない
  • 外すときにはそのまま捨てて正しい手洗いをする

などでしょうか。

マスク着用とセットでこまめな手洗い、首から上を極力触らない、触る時(顔をかいたり飲食など)には必ず手洗いや消毒後の手で行うと良いと思います。

スマホに付着したウイルスは8時間以上生存していたという研究もありますので帰宅時などにスマホの消毒も良いかもしれません。

これを心がけて使ったから有効というエビデンスはもちろんありません。

誰か試験組んで(僕の思いつきを)証明してくれたら嬉しいです。

ただ、マスクが感染予防に無意味という訳ではありません。

感染者が咳エチケットとしてマスクをするのは有効とされています。

咳やくしゃみで、ウイルスの含まれた唾液が空気中に放出される量を抑えると考えられているためです。

(これも、健常者が吸うのをある程度減らすのと似た論理な気がしますしインフルエンザの患者さんがマスクしても家族の発症を抑えられなかったという報告があります)

これらから

⚪︎”他人に感染さない為には有効”

と理解して、咳もくしゃみもないのに、

×”コロナは発症前の感染者(潜伏期間)からも感染するからマスクすべき”

と考えるのは論理の飛躍です。

そもそも発症前の潜伏期間は感染力の弱い時期(ゼロではない)とされていますし、咳もくしゃみもない方が話したりした時に飛ぶ唾液からのエアロゾルをマスクが少なくする根拠はありません。

ちなみに、インフルエンザウイルスの実験であってコロナウイルスじゃないと考える方もいそうですがどちらも同じ感染経路(接触感染と飛沫感染)のウイルスです。

様々な風邪ウイルス(従来のコロナ含めて)、インフルエンザウイルス全て同じ感染経路で感染対策も同じようにとられます。

R0に差はあっても予防策の効果も同等と考えられています。

マスク着用は、やって悪くはない、と言えそうですが現状は転売ビジネスやマスクの品薄に加担する事となってしまいます。

WHOから症状のない方はマスクは不要とアナウンスされています。

CDCのガイドラインでも同様の扱いです。

花粉症なのに!という反応を見かけましたが花粉症で鼻水、くしゃみ、咳など症状が出る人はして下さい。

”症状のない人は”と記載されています。

隔離病棟で働く医療スタッフや花粉症の方にマスクが行き渡ると良いですね。