現場に徹底させたい接客マナー集

お客さまは、買い物をしたりサービスを受けたりするときに、店舗の従業員と接します。その際、従業員が無礼な態度を取ると、せっかくの素晴らしい商品や良いサービスがその価値を失うことにもなりかねません。そうならないためにも現場スタッフは、正しい接客マナーを身につける必要があります。記事では、接客マナーの基礎知識について解説し、その根幹を構成する基本原則や言葉遣いについても紹介します。

接客マナーとは

接客マナーとは、お客さまと接する従業員に必要なマナーです。マナーはルールとは違い規則ではないので、必ず守らなければならないものではありません。しかしお客さまと良好な人間関係を築くためには重要な作法です。

接客マナーが必要とされる理由は?

接客業には「これをやれば大丈夫」という正解はありません。接するお客さまの数だけ正解があるからです。お客さまと正面から向き合うことは接客の基本であり、接客マナーを身につけることでコミュニケーションが円滑に取れれば、良質のサービスを提供できます。そのため接客マナーが必要です。

接客マナー集

接客マナーには「5原則」があります。接客業にかかわるすべての人に共通する基本理念です。

1.挨拶

挨拶は社会人の基本です。挨拶がきちんとできない大人は、どのような場面でも信頼されません。はっきりと滑舌良く話すと良いでしょう。また接客業における挨拶は特に重要だといわれています。なぜなら、挨拶で店舗の第一印象が決まると言っても過言ではないからです。

2.表情

お客さまと接する際の表情はとても大切です。挨拶などで話しかけるときには、笑顔を心がけるのを忘れないようにしましょう。不機嫌な表情を浮かべたり、無表情だったりするとお客さまは近寄りがたく感じてしまいます。接客業の基本は円滑なコミュニケーションなので、それでは仕事になりません。笑顔は人を引きつけます。どんなに強面の人でも笑顔を絶やさなければ親しみが湧くはずです。また笑顔のスタッフがいるお店は華やかな雰囲気に包まれます。つまり従業員一人ひとりの心構えがお店の印象も左右するのです。

3.態度

接客スタッフの業務態度は、お客さまから常に見られています。「従業員同士の私語が目立つ」「だらだらと陳列作業をする」「他の業務をしながら応対する」「荷物を移動する音がうるさい」「話し方が無愛想」などの態度は、言うまでもなくお店のマイナスポイントです。「少しくらい大丈夫だろう」と考えて雑な接客をするのは厳禁。悪い評判は、あっという間に知れ渡ってしまいます。最近ではSNSやインターネットの口コミを介して広まることも想定しなければなりません。接客スタッフは、常に見られているという意識を持って業務に当たることが大切です。

4.身だしなみ

身だしなみは清潔感を保つことが大事です。お客さまはスタッフの外見をさり気なくチェックしています。その時にシャツがズボンから出ていたり、髪がボサボサだったりすると悪印象を与えかねません。ヒゲや人によって苦手の感じる場合があるので香水などにも気を配るべきです。清潔感を保った上で店舗の雰囲気に合わせたファッションを取り入れるとよいでしょう。

5.言葉遣い・敬語

お客さまに対しては丁寧な言葉づかいを心がけましょう。しかしあまり丁寧過ぎると慇懃無礼に伝わる恐れがあります。また逆に砕けすぎたラフな言葉遣いでは軽薄に見られるかもしれません。大切なことは業界やお店の雰囲気に合った話し方をすることです。ただし最低限の敬語は、正しく身につけておく必要があります。

接客用語集

接客マナーの基本は、正しい言葉遣いにあります。そのためお客さまに対して使う言葉には細心の注意を払わなければなりません。言葉の中でもよく使うものを「接客8大用語」と呼んでいます。

1.少々お待ちください

お客さまに感謝を伝える言葉です。商品を買ってもらったときなどに使います。お客さまの立場になって考えると、店員から「ありがとうございます」と言われたら嬉しいものです。そのため、しっかり伝えなければなりません。

2.少々お待ちください

お客さまを待たせるときに使う言葉です。接客時には基本的にお客さまを待たせしないように努めるべきですが、時には待たせることもあります。そのような場面では誠意を持って「少々お待ちください」と伝えるのです。短時間お待たせるだけであれば、あえて言う必要はないと考えるかもしれません。しかしそれは間違った考え方です。お客さまを少しでも待たせるのであれば「少々お待ちください」と断りましょう。

3.かしこまりました

お客さまから注文や指示を受けたときに使う言葉です。同じ意味の言葉として「了解しました」「わかりました」などがあります。これらも敬語ですが、接客の現場には適していません。なぜなら状況によっては「かしこまりました」よりラフな印象を与えてしまう可能性があるからです。

4.申し訳ございません

お客さまに謝罪をするときの言葉です。お客さまに迷惑をかけてしまった場合、事態の大きい小さいに関わらず誠心誠意謝らなければなりません。大切なことは気持ちを込めることです。うわべだけの謝罪は相手に見透かされてしまい、火に油を注ぐことにもなりかねません。また「ごめんなさい」「すみません」も同じ意味の言葉ですが、より丁寧に伝わる「申し訳ございません」を使うようにしましょう。

5.お待たせいたしました

お客さまを待たせた後に使う言葉です。待たせてしまったことに対する謝罪の気持ちも込められています。たとえ短い時間だったとしても「お待たせいたしました」と伝えてください。また、実際に待たせた時間が長ければ「大変お待たせいたしました」とより丁寧に伝えましょう。

6.恐れ入ります

お客さまに手間をかけさせたときに使う言葉です。例えばホテルのチェックイン時に名前や住所を書いてもらうなど、お客さまにお願いごとをしたり、何かをしてもらったりした後に使います。

7.いらっしゃいませ

お客さまが来店したときに使う言葉です。この言葉には「店舗まで来ていただいてありがとうございます」という感謝の気持ちが込められています。なにか作業をしていたとしても、その手を止めてお客さまの方を向き「いらっしゃいませ」と伝えるのがマナーです。パソコン作業をしながら、また背中を向けたまま「いらっしゃいませ」と言わないように気をつけましょう。

8.失礼いたします

お客さまの側を通るときなどにかける言葉です。何も言わずに近づくと、お客さまを驚かせてしまうかもしれません。そうならないために「失礼いたします」と声をかけてから近づきます。このように「接客8大用語」は接客業における基礎の基礎です。日頃から意識して使うことで自然と接客マナーを身につけることができます。

お客さまの立場になって考える

接客業ではお客さまの立場になって考えることが大事です。「どうすれば気持ちよく買い物をしていただけるか」などと思いを巡らすことが接客マナーの基本となります。また接客スタッフとしての理想的な言葉遣いや立ち居振る舞いは、一朝一夕には身につかないもの。日頃から意識して業務に当たることはもちろん、従業員同士でお互いの接客マナーについて意見できる職場環境作りも大切です。